大迫地域とは?

花巻市大迫町

その昔、宿場町として栄えた、岩手県花巻市大迫町は「神楽とワインの里」として地域を盛り上げてきました。平成17年(2005年)までは、岩手県稗貫郡にあった町。町のキャッチフレーズは「神楽とワインの里」で、町に伝わる早池峰神楽は国の重要無形民俗文化財に指定されており、町内にあるエーデルワインでは、町内産のぶどう(リースリング・リオン種、ツヴァイゲルトレーベ種など)を用いてワインを生産している。昭和40年(1965年)10月12日には、オーストリアのベルンドルフ市との友好都市を提携しており、現在に至る。

 

ワインの里

岩手県花巻市大迫町は県内でも有数なぶどうとワインの生産地です。昭和22年(1947年)、同23年(1948年)に岩手県を襲った「カザリン・アイオン台風」。大迫の被害も甚大なものであった。そんな状況の中で、当時の県知事・国分謙吉氏のすすめもあり、昭和26年(1951年)頃からぶどう栽培が奨められていくことになりました。葉タバコ栽培に利用されていた数多くの傾斜地、年間850ミリという降水量、朝夕の寒暖差。そして、石灰質の土壌という独特の気候風土がぶどう生産の地に合うことから、ぶどう栽培が始まりました。

 

エーデルワインの誕生

ぶどうの生育を待ち、ワインの地元生産がスタートするまで、約10年。町の奨励で「岩手ぶどう酒醸造合資会社」が設立されたのは昭和37年のこと。当初のワインづくりは「ハジキブドウ」の加工処理ということもあり、未熟果や裂果なども選別せずに仕込みにかけられていたため、良いワインなどできるはずもなかった。
そんな危機的状況が好転へ向かう転機が訪れたのが、昭和40年。早池峰山に自生するハヤチネウスユキソウとアルプスのエーデルワイスが取り持つ縁で、オーストリア・ベルンドルフ市と友好都市関係が結ばれることになった。
やがて軌道にのりはじめたワイン生産の整備強化を目的に「東北一の自治体ワイン会社」を目指し、昭和49年に「株式会社エーデルワイン」が設立されました。
高品質なワインは岩手を代表するワインです。岩手県産の葡萄100%使用のワインは、ほのかな葡萄の香りと甘味が魅力。ワイン専用品種リースリング・リオンで作られた白ワインは多くのファンを魅了し、人気を高めています。

早池峰神楽(ユネスコ無形文化遺産登録)

大迫地域には、早池峰神楽という神楽が存在する。大償地区に伝わる「大償神楽」、岳地区に伝わる「岳神楽」の総称が「早池峰神楽」であり、昭和51年には国の重要無形民俗文化財第1号に指定されました。日本の舞の源流といわれ、早池峰山を霊場とした修験山伏によって伝えられ、約600年以上前から舞い継がれています。大償は七拍子で優雅な舞い、岳神楽は、東根嶽(早池峰山の古名)の神を祀る田中神社の田中神楽が母胎の兄弟神楽ともいわれ、山の神の面で口を開いているのが大償、口を閉じているのが岳。陰陽の表裏(阿吽)を現しています。